NYに住んだ私が選ぶ、忘れられないショー4つ（ブロードウェイも！)

少し前にNYに住んでいたとき、ショーが大好きだったので毎週のようにショーを見に行っていました。NYには世界トップレベルのショーがあるので、「今夜、何を見ようか」と調べるだけで数えきれないほどの選択肢があります。

どんなショーを見ても、やはり世界トップレベル。

毎回素晴らしい感動を得られて、「本当にNYって贅沢で素晴らしい場所だな…」と思い幸せをかみしめていたのですが、今回は、わたしがNYに住んでいたときに見て本当に感動したショーを、４つだけ紹介します！

どれもリピートするほど素晴らしい、わたしの大好きなショーです！

本当に感動したブロードウェイショー２つ

ブロードウェーは、王道からマイナーなものまで数えきれないほど見てきましたが、特に印象に残っているのがこれから紹介する２つです。

日本に住んでいる人は名前も聞いたことのないようなショーかもしれませんが、どちらも名誉ある「トニー賞」を受賞し、多くのメディアで絶賛された地元ニューヨークのショー好きの間ではかなり有名なショーです。

１．The Color Purple

『The Color Purple』は、わたしが一番好きなブロードウェイ・ショーです！！

原作は、1982年の作家アリス・ウォーカーの小説『The Color Purple』。1985年に映画化され、ついにブロードウェイでミュージカル化されました。

舞台は奴隷解放令が出て50年が経った1909年のアメリカの南部・ジョージアの田舎。主役の黒人の少女セリーは醜い見た目のため、父親から虐待と性的暴力をうけましたが、大好きな妹ネティーが心の支えになっていました。むりやり結婚させられた後も主人ミスターから奴隷同然の扱いを受けてきましたが、同じく父親から性的暴力を受けそうになったネティーが逃げてきます。しかしミスターがネティーを襲おうとしたため、二人は無理やり引き離されてしまいます…。

『The Color Purple』の舞台セットは超シンプルで、ほとんど場面展開もしません。演技でそこにあるように見せている、という印象。衣装もシンプル。とにかく演技と歌、物語が抜群に素晴らしいんです！！セリーを演じるシンシア・エリヴォの歌には、鳥肌が立ち、思わずポロポロと涙が出ました。あまりの素晴らしさに、演技の途中なのにスタンディングオベーションが巻き起こるほど。

特に、物語終盤で彼女が歌う”I’m Here”。

こんな歌を歌える人間は、世界中探してもなかなか見つからないと思います！彼女の歌と演技は素晴らしすぎて、当時メディアやニューヨーカーの間でもかなり話題になっていました。そして、なんとトニー賞の主演女優部門を受賞（＝ブロードウェイのNo.1主演女優ってことです）！！

さらに、ミスターの愛人でありセリーが後に愛する歌姫「シャグ」の役には、なんと映画『ドリームガールズ』で有名な本物の歌姫「ジェニファー・ハドソン」が出演しています。贅沢すぎる…！歌が好きな人にはたまらない、心の芯が感動で震えるようなショー体験です！

私にとってこのショーは、1本で他の素晴らしいブロードウェイ10本分くらいの価値がありました。もちろん他のショーも最高に素晴らしいんです。でもこれは、それを超えてきてるというか…。それほどの感動がありました！！！

２．An American in Paris

わたしが初めて見たブロードウェイのショーが、この『An American in Paris』でした！翻訳すると、『巴里（パリ）のアメリカ人』。George Gershwin氏による『An American in Paris』という曲をテーマに作ったミュージカルです！

ストーリーは、パリで芸術家になることを夢見るアメリカ人の青年ジェリーが、美しい女性「リズ」に恋に落ちるところから始まります。しかし、なんとリズはジェリーの親友アンリの婚約者でした。ジェリーは「芸術家として成功する」という自分の夢と、リズへの諦めがたい想い、そしてアンリとの友情の間で葛藤します…。

このショーはオンライン抽選をしていて、しかも当たると前から数列目の席で鑑賞することができます。わたしも運よくこの抽選チケットが当たり、なんと前から2列目の席で見ることができました。

そして、このショーの何よりもの見どころが、二人のバレエシーン！

主役二人はなんとバレエ界のトップクラス出身で、ストーリー中に挟まれるバレエの美しいこと。しかも、最後のクライマックスシーンではセリフなしの15分間ものバレエシーンがあるのですが、これが本当に息を飲むほど美しいです。飛び跳ねてもステップを踏んでも、全く音が立たないのには驚きました。ミュージカルと同時に、プロのバレエもこんな間近で観ることができるとは…。

しかも、こんなに演技も歌も上手くて、恐ろしいほどに美男美女でスタイルも良く、しかもバレエの腕も世界レベルだなんて…こんな才能に恵まれた人間がいるのか…！！と衝撃を受けました。同じ人間だとは思えない。（笑）

ロマンチックなストーリーも、恋心が盛り上がって世界がバラ色に見えるような二人の楽しさも感じられ、王道のミュージカルらしい素晴らしいショーでした！

ブロードウェイ以外の最高のショー２つ

「ニューヨークといえば、ブロードウェイ！！」と思う人も多いと思いますが、実はブロードウェイ以外にも素晴らしいショーはたくさんあります！ブロードウェイとは、会場の大きさによって決まるので、「少人数の方がいいショー」「特別な会場を使いたいショー」など、様々な理由によって「ブロードウェイではないショー」になります…つまり、ブロードウェイよりも評価されているショーも、実はたくさんあるんです！！

ニューヨークに来て、ブロードウェイだけ楽しむのは勿体ない！ということで、ブロードウェイ以上におすすめなとっておきのショーを２つだけ紹介します。

１．Sleep No More

これは、今までの記事でもさんざん書いてきたのですが、『Sleep No More』は私がニューヨーク中のすべてのショーの中でイチバン好きなショーです！！

→【スリープノーモアは、ニューヨークで最も価値ある100ドルの使い道。】

『Sleep No More』を一言で言えば、チェルシーの廃墟ホテルを舞台に、観客がお面を付けて「Anonymous（匿名者）」となり、ホテルの建物全体を使って役者を探しまわる「観客体験型」のショー。舞台・ストーリーは、ヒッチコック監督のアメリカ映画『Rebecca（1940）』と、シェイクスピアの『Macbeth（1606）』という、二つの全く異なる時代・世界のミックスです。

このアイデアといい、特別なシーンや抜け道を発見できた時の高揚感といい、役者との近さ（向こうから触れられることもある！）といい、とにかく今までに体験したことのない、唯一無二の演出はクセになります。しかも、建物の内部すべてで世界観を生みだしている舞台セットには、本物のアンティーク家具が使われているというこだわりっぷり。

わたしはこの世界観と仕組みが大好きすぎて、もう何回も『Sleep No More』を観に行っています^^

３．Amateur Night

こちらも、NYらしさを全身で感じることのできる素晴らしいショーです！

Amateur Night（アマチュア・ナイト）とは、毎週水曜日の夜に、ハーレムにある「Apollo Theater」に、全世界からプロではないアマチュアが集まり、歌やダンス、楽器演奏などを披露して、その日のNo.1を「観客が」決めるというユニークなもの。自分たちの拍手や歓声の大きさで、勝者を決めるんです！

しかもこのショーは、なんと1934年から80年以上続いているニューヨークの老舗名物ショー。過去には、マイケル・ジャクソンを含む「ジャクソン５」やスティービー・ワンダー、「Stand by Me」でおなじみのベン・Ｅ・キングなど、名立たる実力派パフォーマーを輩出してきました。

ここには数えきれないほど行きましたが、本当に鳥肌が立つほどの歌を披露してくれる歌手もいれば、息を飲むようなパフォーマンスを見せてくれるダンサーもいて、とにかく楽しい！！「アメリカン・ドリーム」を掴みにやってきた人達の熱意と才能を目の当たりにし、同時に、あまり上手ではないパフォーマーへの観客の全力のブーイングからは「実力主義」というアメリカ社会の厳しさを見せつけられます。

こんなに面白いショーを見られるのは、世界でココだけなので、ＮＹに行ったら水曜日の夜はぜひAmateur Nightを見てきてください^^

⇒【【保存版】アポロシアター情報全まとめ。チケット料金＆割引、行き方】