ニューヨークで「スリープノーモア」に行く人へ。
ベースになっている2つの物語、「Macbeth(マクベス)」と「Rebecca(レベッカ)」のストーリーのあらすじをあらかじめ知ってから行くと、現地での体験をより深く理解して楽しむことができます!
Sleep No Moreに予習は本当に必要?
まず、スリープノーモアに行く前に、予習は必要なのでしょうか?
他のブログを見てみると、
- 「何も知らない上で見た方がいい」
- 「(予習をして)固定観念は作らない方がいい」
というアドバイスも見かけるのですが、私 個人的な意見としては、「予習は必要」だと思います。
なぜなら、Sleep No Moreを見に行くアメリカ人のほとんどは、この2つの物語は知ったうえで来ているからです。
ベースの物語は「みんな知っている」のが前提
観衆の90%以上を占めるアメリカ人たちは、たいていベースになっているシェイクスピアの『マクベス』の物語のあらすじを「基礎教養」として、教育課程の中で習います。
もう一つの物語「レベッカ」の方も、とても有名な名作映画なので、見た事のあるアメリカ人は多いです。
Sleep No Moreは、イギリスで誕生した後、アメリカのニューヨークにやってきて公演されています。
つまりイギリス人にせよアメリカ人にせよ、この舞台の顧客ターゲット(観客)はみな前提条件として『マクベス』と『レベッカ』に親しんでいる人達なのです。
なので、私たちもその「前提条件」には合わせていった方がいいです。
というか、せめてベースになっている物語くらいは知っておかないと、Sleep No Moreで起きること・見ること全て、まったく意味が分からないです。(笑)
基本的に、Sleep No Moreは「何が何だかわからないような体験が醍醐味」でもあるのですが、
「あらすじはわかっている上で、起こっていることがわからない」のと、
「あらすじも、起こっていることも、全てちんぷんかんぷん」なのでは、楽しめる度は大きく変わってきます。
体験した上でアドバイスをすると、最低でも『マクベス』のあらすじはわかっていた方が、スリープノーモアを数倍楽しめます。
ベースの物語のあらすじを見てみよう
まず、ベースになっている物語は以下の2つです。
- 『マクベス』は、シェイクスピア著のオリジナルのストーリー(舞台)
- 『レベッカ』は、アルフレッド・ヒッチコック監督によるストーリー(映画)
それでは、それぞれの物語のあらすじを見てみましょう。
Macbeth(マクベス)の概要とあらすじ
マクベスは、スコットランドのダンカン王に使える将軍でした。ある戦いのあと、マクベスは三人の謎の魔女から、「お前は王になる」と予言を受けます。その時一緒にいた将軍バンクォーも、「お前の息子は王になる」と予言を受けました。
その予言を信じられずにいましたが、次第にその予言が現実味を帯びるにつれてマクベスは王の座への野望を抱きます。状況を知ったマクベス夫人は、一歩踏み出せない弱気なマクベスをそそのかし、ついに王を暗殺させます。
罪悪感に苛まれるマクベスですが、夫人は平気な顔をして、血にまみれたナイフを守衛に握らせます。翌朝、王の死を発見したマクダフは、守衛をその場で処刑し、王の死によって身の危険を感じた王の息子二人は、国外に逃げます。
その後マクベスは首尾よく王の座を手に入れますが、バンクォーへの予言が気になります。
バンクォーの息子に王座を奪われることを恐れたマクベスは、バンクォーとその息子に刺客を向け、バンクォーは殺害されましたが、バンクォーの息子は逃れました。
王就任の祝杯の席でマクベスは、殺害したはずの血まみれのバンクォーの幻覚を見ておびえます…。
ここからは長いので略しますが、とにかく最初は気弱で優しさもあったマクベスは、魔女の予言と妻の悪のささやきにより、自分の地位を守るためには手段を選ばない、無慈悲で残酷な男になっていきます。
ウィキペディアページ(マクベス (シェイクスピア))から、詳しいあらすじを読むことができます。
ところで、物語の途中に、こんなセリフがあります。
“Sleep no more. Macbeth does murder sleep.(もう、眠るな!マクベスは眠りを殺した。)”
このセリフから、この舞台の名前「Sleep No More」は来ているんですね~。
より楽しむためのヒント!
ウィリアム・シェイクスピア著のオリジナルの『マクベス』は、福田 恆存さん訳の日本語バージョンの本が新潮文庫から出ています。
内容は135ページほどの台本形式で、1時間もあればさらっと読めるので、時間のある人はこれを読んでいくのをおすすめします!
ただ、台本形式に慣れていないと、台本だけで理解するのは少し難しいかもしれません。
しっかり理解したい人は、Youtubeにある舞台の動画と合わせて読むのがおすすめです。(↓)
Rebecca(レベッカ)の概要とあらすじ
この物語の舞台は、イギリスの「マンダレイ」という海の近くの大邸宅で、主人公の「私」によって語られる物語です。
主人公の女性の名前は、最後まで出てきません。「Rebecca(レベッカ)」とは主人公の名前ではなく、主人公が南フランスで出会い結婚した「マキシム」という男性の前妻のことです。
主人公は、結婚してマンダレイに住むようになってから、完璧な妻だったというレベッカの影に付きまとわれ、精神的に追い詰められていきます。
レベッカの物語は、最初このようなプロローグから始まります。
私は、ある日夢を見ました。それは、マンダレイの大邸宅に戻る夢…。
もう二度と戻ることのない場所だとわかってはいるものの、こうして「私」は時々、マンダレイにいた時の不思議な日々を思い出すのです。
そこから、物語は、主人公がマキシムと出会った南フランスのモンテカルロにさかのぼります…。
物語の流れと詳しいあらすじは、こちらのページ(「レベッカ」のネタバレあらすじ結末)を参考にしてみてください。スリープノーモアを見る分には、ネタバレを読んでしまってもいいと思います。
- 映画公開: 1940年
- 制作・公開国:アメリカ
- 監督: アルフレッド・ヒッチコック
- 原作: Rebecca (原作者 ダフニ・デュ・モーリエ)
結局、Sleep No Moreでの体験は説明できないもの
ひとつ、知っておきたいのが、「あらすじを読んだところで、完全にスリープノーモアを理解できるわけではない」ということです。
なぜなら、スリープノーモアで実際に自分がどのシーンを見ることになるのかは、完全に運次第だからです。(特に初回。)
しかし、それでも物語の流れや、登場人物の知識があれば、最低でも誰がどの役の人なのかがわかるので、圧倒的に物語がつかみやすいです。
また、スリープノーモアは、映画や本では見られない、スリープノーモア・オリジナルのシーンも沢山存在します。
なので、スリープノーモアでの体験は、「ああ、これはあのシーンだ。」と簡単には説明できないことも多いのです。
以上、「”マクベス”と”レベッカ”のあらすじまとめ」でした。
+α:スリープノーモアに行く前に知っておくべきこと
数年前までは、「英語サイトに登録&予約」する必要があったのですが、最近、現地ツアー会社から日本語予約が可能になりました!!
(スタンダードチケットの販売のみですが、スタンダードで十分なので◎)
しかも、公式サイトから買うのとほぼ同額(差額は数十円程度)なので、日本語で予約した方がミスもなく安心です。
チケット情報
スリープノーモアのチケットを買おうと思っている人は、こちらの記事でスリープノーモアの公式ページから購入する方法を詳しく説明しているので、参考にしてみてください。
⇒『Sleep No Moreのチケットの買い方徹底解説!安い割引,学割はある?』
持ち物・格好情報
また、当日、会場に何を持っていくべきか、どんな格好でいけばいいのかは、こちらの記事が参考になります。
⇒『Sleep No Moreに行く前に要チェック!絶対に必要な持ち物と、NGな格好』
どちらの記事内でもネタバレはしていないので、安心して読んでください。
以上、スリープノーモアの予習についてでした。